
国語はすべての教科の土台です。
*この記事は西角けい子さんの「すべての成績は、国語力で9割決まる!」の書評ではありません。ゴメンナサイ。
国語と他教科、成績面での相関関係はある?
すべての成績が、国語力で9割決まるかどうかは正直分かりません。
でも、たくさんの生徒をみていて「もっと国語力があればなあ」と思う生徒はかなりいます。
人間は言葉で物事を認識し思考します。
だから言語力=思考力となり、「思考力は言語力を超えることはできない」ということになります。
読解力が向上すれば当然数学の文章題や理社の資料問題についても情報の整理と正しい理解が可能になるんです。
そうなれば正答率も上がりますよね。
テストで点が取れない子は国語に限らず、他の教科でも問題が読み取れていません。
ある調査によると、
・中学生の20~30%が問題文の主語,述語,修飾語がつかめていない
・主語述語がつかめても60%の生徒は問題の意味を理解していない
と言われています。
設問の意味が分からなければ、出すべき答えが分からないのも当然ですよね。
そういう意味で、国語力の有無は他の教科の成績にも大きく影響すると言えます。
語彙力
語彙力=単語力です。
英単語を知らなければ英文を訳せず、内容は理解できません。
これは日本語も同じで、語彙が増えれば理解できることも増えるようになります。
そして、豊かな思考ができるようになってきます。
文字処理能力について
成績不振の子の特徴として文字の処理能力が低い点があると思っています。
読み書きの速さがない
例えば教科書を読むにしても、10分で5ページしか読めない子は同じ時間で10ページ読める子と比べると学習量が半分になります。
これは結構怖いんじゃないかと思います。
半分の吸収力しかなければ義務教育終了の9年間でどれほど周りと差がついてしまうのだろうかと。
また、学校や塾の授業では板書が不可欠ですが、速く写せた子はそれだけ先生の説明を聞くことに集中できます。
しかし写すのが遅い子は書くことに集中しており、先生の説明を聞けません。
これでは授業が分からなくなるのも当然です。
読み書きの正確性に欠ける
国語の苦手な子は平仮名が読めません。
厳密に言えば読めないというわけではなく飛ばし読みや誤読が多いということです。
「読み間違えくらいなんだ」などと侮ると痛い目に遭ますよ。
平仮名であっても助詞や助動詞は意味を持った言葉です。
だから、平仮名であっても言葉の誤読は誤解を生みます。
また、ノートに間違った字で板書を写したり、間違った字で漢字や英単語の練習をしたりする子が多いのも成績不振の子たちの特徴です。
逆に、ある程度の成績をとる子というのはそれなりの文字処理能力を身につけています。
成績不振の子はまずは文字の処理能力をUPさせましょう。
おすすめは名文の書き写しです。
継続して取り組めば速く正確に書けるようになります。
国文法
成績上位の子は文法ができることが多いです。
日本語の基本的な形(何が何だ、何がどんなだ など)4種類が識別でき、文の成文も理解しています。
どんなに文が長く複雑になっても、必要な情報を拾い、要らない(大切ではない)情報を捨てることが無意識のうちに出来ます。
だから他教科を勉強する際に教科書を読み、自分の言葉で「AはBだ」と端的に理解することが可能となるんです。
あっ、「頑張っても英語ができるようにならない」という子の多くが国文法に問題を抱えていますよ。
最後に
「国語は全ての教科の土台」と言われます。
もちろん全員がそうだとは言わないが、概ね国語は他教科に良い影響も悪い影響も与えることは確かです。
別に国語が苦手なのは構わないと思います。
誰でも得意不得意があるものですから。
でも国語力のなさが他教科の成績不振の原因となっているのであれば改善すべきと思います。
ここを改善すれば成績も伸びます。
国語力がアップしただけで、英語、数学、理科、社会の成績もきっと上がってきますよ。
でも国語って科目は何で軽視されがちなんですかね?
小学校で英語の授業が導入されていますが、国語力の低下が問題となっている今、もっと母国語に力を入れてみても・・・・・・。
塾でも、英数と比べればと国語の受講率が悪いです。
(そういえば難関校に行く子は早いうちから国語をしっかり受講している子が多い)
あと、国語力をつけたいなら絶対小学生のうちです。
詳しい説明は省きますが、中学から頑張っても遅いですよ。
このへんについても今度書いてみます。