「ほめて伸ばしてください」と言う親

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「子どもをほめてください」と言う親

「子どものことをほめてください」と言う保護者はけっこういます。

確かに、ほめることで子どもたちはやる気になります。

また、自己肯定感や自信を持つには、他者からの承認が必要です。

そういう意味では「ほめること」が重要であることは間違いありません。

「厳しすぎる」という理由で塾を辞める子

塾で仕事をしていて、管理人の指導力不足による生徒の退塾率は毎年1~2%です。
100人担当して1~2人が、家庭の期待に私が応えられずに毎年辞めていきます。

退塾理由の全ては「指導が厳しすぎます」というもの。

自分自身では、厳しすぎるということはないと思いっています。
ただ、「生徒に甘い先生ではない」とも思っています。

この記事は、そんな自分の私見を述べた内容になっています。

「ほめて伸ばす」は正解なのかという疑問

管理人が塾業界に入ったのは20年以上前です。

当時から「ほめて伸ばす」を良しとする風潮があり、「ほめるのがいい指導」と盲目的に信じたりもしていました。

でも、本当にそれが正解なのか?と最近思うのです。

「ほめるて伸ばす」がいつのまにか「叱らない」になっているのではないかと感じています。

学力トップ層の親は言わない

塾に対して「指導厳しすぎます」とか「ほめて伸ばしてください」などの要望がある家庭は大体が、子どもの学力が低い傾向があります。

これには2つの理由があるのではないかと思っています。

上位層の子は、そもそも叱られるようなことをしない

ひとつは、単純にトップ層の子は私に叱られません。
宿題はちゃんとやるし、遅刻,欠席もしません。
授業を受ける姿勢も◎。
自習室でも集中して勉強します。
つまり、叱られる理由が全くないということです。

親の理解

ふたつめは、「親自身が叱ることの重要性を理解している」のではないかということです。

子どもが「塾の先生に叱られた。もう塾へは行きたくない」と家で愚痴をこぼしたとします。

「ほめてください」という親は、これを聞いたときに叱られたことの表面しか見てくれません。
「子どもが可哀想だ」と感情的になり、なぜ叱ったのかを冷静に理解してくれなかったりもします。

でも、上位層の親は違います。
子どもの話を、安易に鵜呑みにしません。
最初に「ウチの子が悪いのではないか」と考えてくれます。
で、叱られた理由を子どもから聞いて「そりゃあ先生も叱るよ。今回はあなたが悪い」となることが多いです。

ほめると子どもは自信が持てるのか-内閣府調査結果

「子どもをほめてほしい親」の考えはこうです。

ほめる

子どもは嬉しい

自信が持て、やる気が出る

じゃあ、何でもほめればいいのかというとそれは違うんじゃないかと個人的には思っています。

内閣府の調査データに興味深いものがあります。
参考 内閣府-子ども,若者白書

内閣府が実施した、日本,韓国,アメリカ,イギリス,ドイツ,フランス,スウェーデンの七カ国の意識調査結果です。対象は、満13~29歳の若者です。

日本の若者は諸外国と比べて,自己を肯定的に捉えている者の割合が低く,自分に誇りを持っている者の割合も低い。
(引用:内閣府子ども・若者白書)

以上が内閣府の報告です。

「ほめて伸ばす指導」が広まり20年以上経っていますが、「自分に自信が持てない若者」が多いのは一体どうしたことか。

以下に調査データを記します。
注目してほしいのは日本はもちろん、フランスです。

フランス人の親は、子どもに対するしつけの厳しさを自慢します。
フランスの子どもにとって、親は絶対的な存在です。

ほめて伸ばす日本と、厳しくしかるフランスとの対比に興味を覚えます。

自己肯定感

Q.自分自身に満足している

アメリカ 86.0%
イギリス 83.1%
フランス 82.7%
ドイツ 80.9%
スウェーデン 74.4%
韓国 71.5%
日本 45.8%

(参考データ:内閣府子ども・若者白書)

日本はぶっちぎりの最下位です。
これが、「自分はもっと成長できる」といった上昇志向からくるものであればいいのですが、現実はそうではありません。

Q.自分には自信がある。

アメリカ 93.1%
ドイツ 92.3%
フランス 91.4%
イギリス 89.6%
韓国 75.0%
スウェーデン 73.5%
日本 68.9%

(参考データ:内閣府子ども・若者白書)

日本の子どもたちは親や教師から、たくさん自分の「いいところ」を聞かされて育ったの思うのですが、若者の自己評価は低いんですねえ。

意欲

Q.うまくいくかわからないことにも意欲的に取り組む

フランス 86.1%
ドイツ 80.5%
イギリス 80.1%
アメリカ 79.3%
韓国 71.2%
スウェーデン 66.0%
日本 52.2%

(参考データ:内閣府子ども・若者白書)
「やってみなきゃわからない」というチャレンジ精神が欠如してるのが分かります。

Q.つまらない、やる気が出ないと感じたこと

日本 76.9%
韓国 64.5%
アメリカ 49.0%
イギリス 55.2%
ドイツ 44.7%
フランス 44.4%
スウェーデン 55.7%

(参考データ:内閣府子ども・若者白書)

日本の若者は諸外国と比べて,うまくいくかわからないことに対し意欲的に取り組むという意識が低く,つまらない,やる気が出ないと感じる若者が多い。
(引用:内閣府子ども・若者白書)

日本には「やる気がない」「無気力」な若者が多いですねえ。

そして、フランスと日本の差がけっこうはっきり出ています。

「自己肯定感や自信を与えるために、ほめて伸ばす日本」
「親は絶対的な存在であり、厳しくしつけるフランス」
調査結果は逆に出ても不思議ではないとも思えますが、どうしてこういう結果になるんですかね。

「ほめて伸ばす教育」の是非

自分は塾側の視点でこの記事を書いていますが、これはもう単純に「学力が」とか「勉強が」の問題ではないように思います。

人間力とか生きていく力みたいなものが欠けていると思うんです。

そして、家庭や学校も含めた、子育て・教育全体がこのことを考えたほうがいい。

別に勉強が出来なくたっていいじゃないですか。
大人になったときに、自信を持って自分の人生を送ってくれれば。

でも、現実的にはそういうキラキラした人生を送れていない若者が日本には多いのです。

保育園、学校、塾――どこもみんな叱ってない

ウチには子どもが二人います。
小学校と保育園にそれぞれ通っています。

授業(保育)参観や行事で保育園や学校へ行きますが、「しつけがなってない」ということを強く感じます

保育園も小学校も動物園のサル山です。
子どもたちは先生の指示に従いません。
簡単に言えば学級崩壊みたいなものです。
(サル社会のほうが、ボスザルを頂点にある程度の秩序はあるか)

「先生、そこは注意しないとダメでしょ」
「先生が叱れないなら自分が代わりに叱りましょうか?」と言いたいときもあります。

そして、塾でも厳しく指導できない先生が多くいます
宿題をサボっても流す、騒いでも注意しない。

保育園も学校も塾も、先生たちは保護者からのクレームが怖いんだと思います。
そして萎縮し、事なかれ主義になります。

先生が何も言わなきゃ、子どもたちは好き勝手のやりたい放題になります。

で、自分は思うんです。
「ほめる=しからない」になっていないかと。

そして、そういう教育を受けた子どもたちは、内閣府の言う「自分に誇りを持てない無気力な大人」になるわけです。

若者の引きこもりや、離職率の高さも「ほめて伸ばす」が影響している気がするのですがどうでしょう。

親も考えたほうがいい

自分は塾講師なんで、生徒の成績を上げる義務があります。

そのために厳しさが必要なときは、躊躇なく厳しく指導します。

ほめるだけで成績が上がるなら、いくらでもほめます。

でも、現実はそうではありません。

ほめても勉強しない子どもはやらないです。

保護者の方も、その点は考えたほうがいいです。

我が子が先生に叱られて、可哀想だと思うことは親としては自然です。

でも、可哀想と思うあまり「叱らないでほしい」と感情的に考えるのは子どものためにならないこともあります。

「厳しくしない」「叱らない」だと、”頑張れない・粘れない・精神的に弱い子”になる可能性があります。
これらは、IQ以上に大切なEQの部分です。
参考記事 IQと同じくらい「EQ=心の知能指数」が大切なんです

個人的には今の子は、EQ要素が低いような気がしています。

そのあたりのマイナス面も含めて、子どものしつけ,教育を考える必要があるんじゃないでしょうか。